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EC化とは?
市場全体または特定の業界や企業において、どれだけ電子商取引(EC)が普及しているかを表す指標です。
実店舗のみで商品・サービスを販売していた企業などが、ECサイトを立ち上げて販売を始めた場合、EC化にあたります。
EC化率とは?
EC化率は、全ての商取引において、EC市場が占める割合を示した値のことを指します。
簡単に言うと、インターネットを介して商品・サービスを購入した割合がどれぐらいかを示した値のことです。
日本国内のBtoC分野のEC化率は9.13%
日本国内の物販系分野のBtoC分野のEC化率は、2022年において9.13%(前年比0.35ポイント上昇)であることが、経済産業省の調査により明らかになっております。
市場規模で13 兆 9,997 億円となり、EC化率は鈍化しつつも、増加傾向にあります。
日本国内のBtoB分野のEC化率は35.6%
同じく経済産業省の調査により、日本国内のBtoB分野のEC化率は、2022年において35.6%(前年比1.9ポイント上昇)であることが、明らかになっています。
市場規模で420 兆 2,354 億円(前年比 12.8%増)となり、こちらもEC化率は増加傾向にあります。
CtoC分野も同じく右肩上がりで市場規模が拡大しております。
世界のEC化率は13.8%
世界のEC化率は、2022年において19.3%であり、BtoCのEC市場規模は5.44兆USドルと言われております。
なかでも世界で1番ECの市場規模が大きい中国のEC化率は2021年時点で50%を超えており、
世界で2番目にEC市場規模が大きい米国のEC化率は2020年時点で14.5%となります。
世界規模によるコロナ拡大を背景に、EC需要が急激に増加したこともあり、EC市場規模をはじめ、 EC 化率の増加につながったと見られてます。
その後も市場規模の拡大と EC 化率の上昇が予想されており、2026 年には 7.62 兆 US ドル、EC 化率は 23.3%にまで上昇すると予測されています。
日本のEC化率が低い要因
日本のEC化率は増加しているが、世界と比べてなぜ低いのでしょうか。
主な要因としては、以下があげられます。
市場規模が大きな業界がEC参入に消極的
まずは、EC化率の高い業界をみてみましょう。
「書籍、映像・音楽ソフト」52.16%
「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」42.01%
「生活雑貨、家具、インテリア」29.59%
国内のEC化率に対して、大きく上回っていることが分かります。
一方で、EC化率の低い業界をみると、国内のEC化率を下回っていることが分かります。
「自動車、自動二輪車、パーツ等」3.98%
「食品、飲料、酒類」4.16%
「自動車、自動二輪車、パーツ等」のEC化率が低い要因は、実店舗で試乗してから購入を検討するため、EC化率が高まりにくいと考えられています。
「食品、飲料、酒類」のEC化率が低い要因は、鮮度などの問題があり、EC化が難しい分野とされています。
EC化率が低い業界の主な要因をみると、ユーザーの多くがECよりも実店舗で購入するニーズがまだ強いためと推測できます。
ただ、2020年の世界規模によるコロナの影響で、おうち需要が増えたこともあり、ネットスーパーを利用する会員が伸びておりますので、今後はEC化率が上昇するでしょう。
決済サービスの普及
ECサイトで商品・サービスを購入する際に、決済サービスの充実化は非常に重要となり、購入率にも大きく影響します。
2022年に経済産業省が算出したデータによりますと、日本のキャッシュレス比率は36.0%(111兆円)です。
海外のキャッシュレス比率をみると、同じく2022年時点で、韓国が93.6%、中国が83.0%、イギリスが63.9%となっており、日本のキャッシュレス化は大きく遅れております。
日本政府は、2025年までにキャッシュレス比率を40%に目指す方針を立てました。
ただ、日本では後期高齢者の影響もあり、まだまだ現金決済が一般的となっております。
また、クレジットカード決済やモバイル決済に対して、消費者だけではなく、事業者もそれほど積極的ではありません。
ただ、PayPay、楽天Pay、AmazonPayなどの電子マネーによる大規模なキャンペーンの影響もあり、今後はキャッシュレス化が増加するでしょう。
日本のEC化を更に増加させるために必要なこと
日本のEC化率を増加させるためには、どれだけ実店舗での販売に近い仕組みを構築できるかキーになります。また、日本のEC化率を世界レベルで増加させるためには、オンライン決済で利便性を高めることも忘れてはいけません。
まとめ
本記事では日本のEC化率をはじめ、世界のEC化率などについてまとめました。EC業界全体としては、今後もEC化率が伸び続けるでしょう。EC化率を世界レベルで加速させるためには、ライフスタイルに合った柔軟な変化や、オンライン決済をはじめとしたインフラ・サービスの普及が重要となります。